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小林よしのり
2014.3.4 13:44

村山談話・河野談話に未来はあるか?第22回


村山談話・河野談話に未来はあるか?

22回 男は強姦する生き物か?

 

慰安所が設置された原因は、戦場で日本兵の一部が

女性を強姦する事件が発生し、これが住民の怨嗟を買い、

治安が乱れたためだった。

 

この理由を聞いただけで、女性が嫌悪感を持つのは、

十分わかる。

レイプという行為が最低の野蛮な行為であることは

当然である。

フェミニズム系の女性は慰安所設置の原因を知って

こう言う。

男は強姦するものだと居直るのか?

 

いや、それは論理が飛躍している。

一部の男に強姦する犯罪者がいるのだ

特に戦場では異常な心理状態になり、何でもアリな

勘違いを起こす輩がいるのかもしれない。

 

だが、現代の女性や、フェミニズム系の人たちは

知らないのだろうか?

例え戦場でも、強姦は犯罪であり、逮捕されて、

軍法会議にかけられる。

 

性犯罪を防ぐために慰安所を作ることが悪ならば、

現代の性風俗産業も悪ということになるが、

それを性産業に従事する女性に向かって

言えるだろうか?

性産業がなくなったら困るのは、男性だけではなく、

女性も同様だろう。

 

だが、嫌韓デモで、「従軍慰安婦は売春婦だ」と

大声で罵る輩には、わしも不愉快な思いがする。

現代の性風俗産業に従事する女性たちに、そのような

敬意のない言い方が出来るのだろうか?

昔も今も、そのような職業にも敬意を払うべきだし、

利用したことがあるなら、感謝すべきだろう。

 

もうひとつ言っておきたいが、戦時中の日本では、

公娼制度」といって、売春が合法だったのである。

過去の価値観を否定しても仕方がない。

誰もが触れないが、慰安婦の人数は日本人女性の方が

多かったことも忘れてはならない。

日本からは一人も名乗り出ることはないが、それは

何故かということも想像してみたっていいだろう。

 

あくまでも慰安婦問題は、その慰安所に集められた

女性たちが、「日本軍によって強制的に連行されて

来た女性たちだったのか?」という一点だったのであり、

日本国内における議論から始まったのである。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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